マーケティングの5P:4P+1P
マーケティングに関する本を読んだことある方、あるいは当サイトを見たことがある方なら必ず知っていると思いますが、マーケティング理論には4Pというフレームワークがあります。
マーケティング戦術(マーケティング・ミックス)を考える上での4要素、その頭文字がPであることから4Pと言われ、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)になります。
この4Pなのですが、拡張されて5Pが提唱されている場合もあるのです。
実際は、5Pどころかマーケティングで考慮すべきとされているPは他にも山ほどあり、その中で一つだけ選ばれたPを4Pに足しただけの模様です。
その5つ目のPの例を以下に挙げます。
・Package(パッケージ・包装)
・Peopele(人々)
・Popularity(大衆性・人気)
・Process(業務)
など
実は他にも色々あるようですが、これくらいで十分でしょう。
この中で主流な5つ目のPはPackageやPeopleだと思います。ここでは、この2つについて簡潔に取り上げます。
5つ目のPその1 Package
Package(あるいはPackaging)とは商品の包装を意味します。
パッケージ本来の役割は運搬・取り扱いのさいに商品本体を保護するためですが、パッケージには商品の仕様や商標、規格などの情報提供の役割も持っています。
したがって、パッケージのデザインを工夫することで、適切な情報を発信し、消費者に良いイメージを与え、販売促進に一役買うことも可能になります。
単に物品保護という観点でなく、商品の価値を向上させるという意味でもパッケージは注目されるようになり、Productから独立して4P同様、マーケティング上重要なPとなりました。
実際には、Productでパッケージについても決定するため、4Pから5Pになったことで何が変わるわけでもありません。
そのため、4Pのままでも十分機能します。
5つ目のPその2 People
Peopleとは人々を意味します。
では、どんな人々かというと5Pの定義(提唱する人)によってまちまちなのですが、概ね利害関係者(ステークホルダー)、中でも特に重要な人々は顧客としているようです。
また、昨今ソーシャルメディアの発達によって消費者の中でも強い影響力を持つ、インフルエンサーと呼ばれる消費者も無視できなくなってきたため、より「人々」に注目する必要があります。
マーケティングを考える以上、顧客に着目するのは言わずもがなですので、「人々」の重要性については改めるまでもなく理解していると思います。
なお、People=ターゲット顧客とする場合がありますが、そもそもマーケティング・ミックス以前のプロセスでSTPのターゲティングがあるため、マーケティング・ミックスにおけるPとPeopleは考慮すべき次元が異なるため、4Pに加えるにはPeopleはあまり適していないと思います。
しかし重要ではありますが忘れがちなことでもあるためか、マーケティングでも有名な4Pに加えているのだと思います。
その他のPも同様に、4Pと並列して考慮すべき要因か疑問があり、マーケティング・ミックスとは別のプロセス、あるいはPackageと同様に4Pの要素を抜き出したものを新たに加えているだけの場合があるため、紹介する重要性は低いと考え割愛します。
「マーケティングの4Pは古い。これからは5Pだ」のようなことをネットで10年前の記事でも見た記憶があるため、このようなことは度々主張されては消えていっているのだと思います。
フレームワークの場合、独自の切り口さえ作れば新しいフレームワークが作れますし、4Pのような場合新たな要素を付け加えるだけで新しいフレームワークを提唱できます。
5Pに限らないのですが、独自のフレームワークを打ち出し、提唱者の売りとする手法は往々にしてあります。