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返報性を利用して行動を促す|とにかく与えまくれ!

 

返報性―ギブ・アンド・テイクの性質

人は恩義を感じると、相手に恩返しをしようとする心理があります。この性質を返報性といいます。いわゆるギブ・アンド・テイクを無意識に行っているのです。

 

恩を受けたら必ず返す。

 

これは社会生活を送るうえで非常に重要な感覚です。プレゼントを受け取ったら、贈り返す。何かを手伝ってもらったら、今度は自分が相手を手伝う。このような恩義の交換を繰り返して社会生活を営みます。

 

もし、相手に何もお返しをしなかった場合、その人は他人から「あいつは恩知らずだ」、「恥知らずだ」、「あいつはなんて卑しい奴だ」などと評価されてしまいます。

 

すると集団社会の中ではそのような人は好まれず、集団生活を送りにくくなります(まれに、恩を受けるばかりで全く返さない人は存在します)。

 

返報性はとても強い性質を持ち、相手が誰であろうと恩を感じると、その恩に報いようとします

 

あなたの実生活でも誰かに助けられたら、その後に相手の役に立とうと思ったことはあると思います。

 

「貸し」と「借り」ほど畏まった関係ではないにせよ、例えばご飯をご馳走になったら、今度は自分がご馳走するなんて経験があると思います(まさか奢ってもらってばかりではありませんよね?)。

 

そして、返報性の驚くべきところは、その相手が嫌いな人や好ましくない印象を持つ相手からでも返報性は働くことです。つまり、恩義を感じるのは人を選ばないのです。

 

クリシュナ意識国際協会という宗教団体は、アメリカでの活動の際、空港のような歩行者の多い公共の場所で突然、、歩行者に聖典や協会誌、花をプレゼントとして渡しました。

 

歩行者は要らないと断ってもプレゼントと称して押し付けるように渡して、返すことのできない状況に追い込むのです。

 

そして、無理矢理にでもプレゼントを贈ったあとに、寄付金を要請しました。す

 

るとどうなったか、結果からいうと寄付金はたくさん集まり、アメリカ国内外に321ヶ所もの支部を持つようになりました。

 

この寄付金集め手法は、相手がプレゼントを押し付ける明らかに怪しい相手でも、受け取ったから(受け取ってしまったから)にはお返しをしなくてはならないと感じる、返報性の働きの強さを良く示しております。

 

ちなみに、例で挙げた宗教団体の顛末ですが、寄付金の集め方があまりにも評判が悪く、規制が入り空港内の募金活動が禁止されました。

 

その結果大きく経済的ダメージを受け信者も激減しました。

 

現在でも活動は世界中で続けており、日本人向けのブログも運営されております。

 

返報性をビジネスに活かすには―与えまくれ!

人を選ばずに返報性が働くということは、私達が面識のない消費者や見込み客に自らを売り込むにはどうすればいいかを理解させてくれます。

 

つまり、相手に与えまくるということです。端的に言い過ぎたと思いますが、無料で顧客にとって価値のあるモノを提供するのです。

 

ここで大事なのはどんなものであれ、基本的に無料でなければいけません。少額でも顧客は取引と見なしてしまうため、恩義を感じることはないでしょう。

 

とにかく、無料で相手に役立つモノ、情報などを与えることです。

 

例えば、無料レポートの配布や、無料診断、無料の施術などサービス業であれば無料のサービスはさまざまあります。

 

そして、与えに与えた後、顧客は私達に収益をもたらしてくださいます。

 

とにかく大切なことは顧客から受け取ることばかり考えるのではなく、与えること、顧客により多くの価値を提供してると認識してもらうことです。


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