顧客視点で自社と競合を調査する
マーケティングでは常に競合の状況に目を光らせることが必要です。
3C分析のCの1つにCompetitor(競合)が含まれていることからも、競合が市場競争に与える影響は大きいことがわかります。
マーケティングを駆使するのは何も自社だけではありません。競合他社も同じようにマーケティング戦略を持っています。
そのため、競合が自社との競争にどのように脅威なのか調べる必要があるのです。
実は、競合と自社の違い、競合優位性を発見する簡単な方法があります。
その方法は、顧客視点、すなわちその企業の顧客になってみることです。
実際に消費者の立場となって製品を購入しましょう。自社、競合の製品を購入して使用してみましょう。
消費者が製品を購入するのは、製品を用いて何かしらのニーズを満たすためです。何かしらの価値を感じたから購入するのです。
消費者があなたの製品ではなく、わざわざ競合の製品を購入する理由を知る為にも、あなたも競合の製品を購入して使ってみましょう。
製品の品質にはこだわらず安ければよいと考えて購入された製品もあれば、品質にこだわり価格にはあまり頓着しないで購入された製品もあります。
実際に購入すれば、消費者が競合他社のどんなところに魅力を感じたのか理解が深まります。
市場は常に、自社が如何に選ばれるか競争している場であり、なぜ自社でなく競合が選ばれるのかを把握することは、今後の戦略や他社との差別化を図るためにも有益です。
競合が何をしているのか、実際に競合の製品・サービスを利用してみて、競合の強み・弱みを調査してみましょう。
顧客の立場になることで、顧客や消費者が知覚する自社と競合の差異が理解できるのです。
もちろん、競合だけでなく、自社の製品・サービスも自分が顧客となって利用してみましょう。
消費者がなぜ競合に惹かれたのかを調べるのと同様に、なぜ自社の顧客になってくれたのか、自分で自社の製品を購入して確かめてみましょう。
自社と競合の製品を買って調査する
製品を購入するプロセスはどうでしょうか。
電話で申し込みするのか、インターネットで申し込みするのか、店舗に赴く必要があるのか。
購入プロセスが競合とどう違うか比較しましょう。
実際に、問い合わせの電話をしてみましょう。
電話応対は丁寧だろうか、製品・サービスの説明は伝わりやすいだろうか、顧客とちゃんとコミュニケーションがとれているだろうか。
使ってみましょう。
製品の使い心地はどうだろうか、使いやすさ、品質、耐久性、など実際に使ってみて自社と競合どう違うでしょうか。
顧客の目に映るもの全て比較してみましょう。
製品のパッケージ、広告、価格、従業員、ラインナップ、アフターフォロー、などなど顧客はさまざまな要素に触れます。
その中で、どこに優位性があるか比較して見極めましょう。
競合の方が優っているのなら、そこは改善点になります。
企業は常に、顧客から競合と比較して頭の中で競い合わされています。
多くは、絶対的に優れた製品・サービスが選ばれるのではなく、比較検討した結果、相対的に優れた製品・サービスが選ばれます。
つまり、競合より優れていると感じられることで、自社が選ばれるのです。
そのため、私たちマーケターは普段選ばれる側に立っていますが、選ぶ側に立って、どのような優位性があるか研究する必要があります。