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セグメンテーション(市場細分化)

 

セグメンテーションとは

セグメンテーションは日本語で市場細分化と訳されます。

 

市場細分化と言うように、市場を性質ごとに細かく分けることです。

 

なぜ、市場を細かく分ける必要があるのか? 大きな市場を攻めれば大きく利益を上げられるのではないか、と思われる方もいらっしゃると思います。

 

セグメンテーションの説明の前にマス・マーケティングについて話す必要があります。

 

マス・マーケティングとは一つの製品を市場にいる全ての消費者を対象に販売するマーケティング手法です。

 

ヘンリー・フォードは黒のT型フォード1種類のみを大量生産して、あらゆる自動車の購買者にプロモーションし、販売しました。このフォードの販売手法がマス・マーケティングの元祖です。

 

大量生産のおかげでコストが低くなり、大量に販売することで非常に多くの利益を獲得し会社は成長していきました。

 

消費者の購買選択肢もなく、現在のように供給過多ではないため、マス・マーケティングは非常に効率良いマーケティング手法でした。

 

しかし、現在ではニーズの多様化により、単一の商品では全ての消費者のニーズを満足させることはできません。

 

また、消費者が日常目にする広告媒体の豊富さゆえ、市場全ての消費者に到達するようなプロモーションはかけられません。

 

したがって、マス・マーケティングは死に絶えたも同然と言えます。

 

現在の市場はT型フォードの時代と違い、多くのニーズとそれを満たす多くの選択肢があります。つまり、単一のニーズで構成された市場は存在しないと言えます。

 

そのため、市場を異なるニーズを持つ集団の塊と捉え、市場をニーズごとに分割します。

 

分けられた市場をセグメントといい、セグメンテーションは市場の中から同質のニーズを持つ集団を抽出するという役目を持ちます。

 

セグメンテーション(市場細分化)。市場を異なるニーズを持つ集団の塊と捉えて、ある同質のニーズを持つ集団を抽出することがセグメンテーションである。

 

セグメンテーションの意義

現在、マス・マーケティングのようにある一つの製品を市場全てに販売しようと企てた場合どうなるか。

 

マス・マーケティングは非常に効率が良く、一見企業にとっては良い事ずくめかと思えます。

 

しかし、市場のニーズは多様なため、全てのニーズを満たす製品を作るとなるとコンセプトがまとまらなかったり、価格設定が決まらなかったりと上手くいかないでしょう。

 

反対に、顧客一人ひとりに対応するオーダーメイドやオートクチュールなどは市場の最小単位である「一人の顧客」というセグメントになります。

 

その顧客のニーズは完璧に満たせるでしょうが、日用品や食料品など大量の顧客を相手にする事業によっては経済的に見合わないマーケティングになります。

 

実際には、特定のセグメントに絞ってから一人ひとりの顧客に対応することが現実的なマーケティング手法です。

 

企業は資源を効率良く使って収益を上げなければ存続できません。

 

そのため、セグメンテーションという考えを持ち込んで、ある特定のニーズに照準を絞って経営資源を投入していくようになってきました。

 

全く同じ性質のニーズを持つ人間は存在しないでしょうが、マーケティング上、同質と考えても差し支えないニーズを持つ集団を市場から切り分けることがセグメンテーションです。

 

切り口は多様ですが、例えば、20代男性と30代男性と分けたとき彼らの嗜好にほとんど変化がなければこれらは同じセグメントに分けられます。

 

単に、性別や年代別などに分けることがセグメンテーションではなく、異なるニーズを持つ集団から同一のニーズを持つ集団を特定することがセグメンテーションです。

 

市場を細分化することで企業が得られるメリットは、多様なニーズに適した製品・サービスが提供でき、経営資源を効率よく活用できることです。


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