まずはリストを作ることから始めよう
マーケティングとは適切な人に適格なメッセージを伝える活動です。
顧客にメッセージが到達できるようにしなければ、いかなるオファー(取引の条件や約束事)も無意味になります。顧客にメッセージを届けるためには、顧客のリスト(名簿)を取らなければなりません。
リストは江戸時代から重視されてきた
江戸時代の商人は店が火事になったとき、店から逃げ出す際、真っ先に確保するものは「顧客名簿」でした。
江戸時代の商人にとって商売で一番大事なものは商品や商売道具でもなく、現金でもありません。それは名簿です。
商品はたとえ焼失しても仕入先から新たに仕入れれば用意できます。
しかし、名簿を失ってしまえばこれまで取引していたお得意様との関係が失われてしまいます。
名簿があればこれまで取引があったお客様のもとへ出向いてすぐにでも取引を再開できますが、名簿が無ければ一から取引先を開拓しなければなりません。
名簿さえあれば商売は立て直せるということを江戸時代の商人は理解していました。
リストが無いと顧客にアプローチできない
リストが昔から大切にされてきたことはわかったでしょう。実際、リストが全く無い場合どのような困った状況が起こるでしょうか?
「常に新規顧客を開拓し続けなければならない」「既存の顧客をフォローできない」といった状況に陥ってしまいます。
新規の顧客の開拓は非常にコスト(労力や時間、資金など)がかかります。企業にもよりますが、新規の顧客に購入してもらうのは既存の顧客に購入してもらうことの10倍大変です。
特に、証券会社や銀行など金融の新規開拓が大変だというエピソードは枚挙に暇がありません。
先の江戸時代の商人の話に戻りますが、もし顧客のリストがあればたとえ今、手元に商品がなくても商品を仕入れたとき、あるいは商品ができたときにすぐに顧客にこちらからアプローチして販売することができます。
しかし、リストがなければ顧客がこちらに来るのを待つしかありません。一刻も早く商品を売って現金を得たい状況であれば、顧客が来るのを待ってはいられないでしょう。
リストというものはそれだけビジネスにとって大事なものであり、実際にリストの販売をする名簿業者も存在します。業者が存在するくらい企業というのはリストが欲しいのです。
最近では、ファミレスや居酒屋などの飲食店でメールアドレスを登録させて、割引を行うサービスも出てきました。
なぜ、顧客にメールアドレスを登録してもらうかというと、店側が顧客のアドレスを知っていると好きなときに店側から顧客にアプローチ(この場合はメール)できるからです。
顧客にアプローチすることで、再び来店することを促すこともできますので、ただ来店するのをボーっと待つよりもはるかに効果的です。
例えば、メールを提示すると○○円引きなどのオファーも可能ですし、ドリンク一杯無料などの原価が少なくて済むオファーなどでも来客を促す効果は充分あります。
飲食店でもリスト取りは可能です。
では、あなたのビジネスではどのような方法でリストが取れるでしょうか? また、リストを使ってどんなオファーができるでしょうか?