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インターナル・マーケティング|組織内に働きかけるマーケティング

 

インターナル・マーケティング

マーケティングとは外(市場や顧客)に向けて行うだけでなく、内にも向けて行う必要があるとコトラーは説いています。

 

組織内に対するマーケティングをインターナル・マーケティングといいます。

 

組織内へのマーケティングといっても製品を購入させるためのマーケティングではありません。

 

コトラーはインターナル・マーケティングを以下のように説明しています。

 

インターナル・マーケティングとは、組織内の全員が自社のマーケティング・コンセプトとマーケティング目標を信じ、顧客価値の選択、提供、伝達への積極的に関与するよう仕向けることである。

 

 コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメントより引用。

 

言い換えるとインターナル・マーケティングでは、マーケティングをマーケティング部門という企業の一部門に任せっきりにするのではなく、企業全体がマーケティング志向になる組織となることが課題です。

 

マーケティングは組織全体の活動

マーケティングは組織的な活動であり、一部門だけに任されているわけではありません。

 

他の部門は知らん顔して、「自分の仕事は経理だから」「製品を作るのが私の仕事だ」「この部門は人材管理が仕事だ」などと顧客をないがしろにしていたら、マーケティングの効果を十全に発揮できません。

 

企業の各部門が顧客のことをどう考えているかがインターナル・マーケティングで重要なことです。

 

なぜなら企業の全従業員が、自分の業務が顧客に価値を与えていると自覚することで企業のマーケティングが活きるのです。

 

研究開発、購買、製造、ロジスティクス、セールス、マーケティング、人事、財務、経理など企業にはさまざまな部門が存在します。

 

企業全体がマーケティング志向になるにはマーケティング部門だけではなく、上に挙げたような他の各部門が常に顧客を主導とした業務を行っていると認識しなければなりません。

 

従業員教育、組織文化や組織教育などによって働きかけるため、インターナル・マーケティングは組織論に踏み込みます。

 

組織を構成する一人ひとりにマーケティングの重要性を理解させて、日常の業務レベルで行動に移させるには組織論への理解が必要になります。

 

つまり、インターナル・マーケティングとは企業がマーケティングの成果を十全に発揮できるための組織づくりということです。

 

マーケティングというと顧客に働きかけるものだから、組織内へのマーケティングというのは意外と思われるでしょう。

 

しかし、時代を遡り、マス・マーケティングの時代では製品の大量生産が求められていました。

 

企業は量産体制を整えるための組織づくり、従業員の教育、大量販売のための販売網の整備などマス・マーケティングを実現する組織づくりを行っていました。

 

以前より、マーケティングは組織構造に大きく影響を与えていたことがわかります。

 

マーケターがいくら自社がマーケティング志向の組織だと思い込んでも、組織構造が製品志向や販売志向である場合があります。

 

顧客と良好な関係を築きたいのであれば、まず組織間で良好な関係を築きましょう。

 

マーケティングの成果を上げたいと考えるなら、マーケティングを十分に実行できる組織づくりに努めましょう。


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