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セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング|STPの概要

 

STP│市場の絞り方、自社の位置づけ方

 

市場機会を発見し、目標を設定したら、いよいよSTPの決定を検討します。

 

マーケティングを少しでも学んだことがある方ならご存知の方も多いかと思います。

 

STPとは、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の頭文字を取った略称です。

 

STPはマーケティング上、非常に重要な活動で、マーケターの仕事はここから始まることもあります。

 

マーケティングは全ての顧客(市場全て)を対象とすることはありません。

 

基本的に「あらゆる顧客を狙った商品は、誰からも必要とされない」というのがマーケティングを考える上で前提にあります。

 

STPとは、マーケティング目標を達成する上で、どの市場を狙い、どのような立ち位置で市場にアピールするか最も効果的な手段を決定するプロセスです。

 

このような考え方をターゲット・マーケティングといいます。

 

反対に、市場を選ばず、全ての顧客を対象とする方法をマス・マーケティングといいます。

 

STPは、単一のプロセスではなく、セグメンテーション→ターゲティング→ポジショニングという一連の流れをまとめた呼称です。

 

PESTやSWOTなどのフレームワークと違い、STPの語順は活動の進行順に並んでおります。

 

具体的には、市場を細分化し(S)、標的市場を定め(T)、市場に最も効果的に訴求できる立ち位置を決定する。という順番で進みます。

 

もちろん、TSPやPTSといった順番では進みません。

 

標的市場を定めてから、市場を細分化することもなければ、標的市場を定める前に市場での地位を決定することなどあり得ません。

 

セグメンテーション

セグメンテーションとは日本語で「市場細分化」と訳されます。STPの最初のプロセスに当たります。

 

「どの市場を狙い撃つか」の前に、まずは「市場をどう分けるか」から始めます。

 

いきなり、ターゲットの選定に始めがちなのですが、的を狙い撃つには的を定める前に、的にはどのような種類があるのかを確認する必要があります。

 

的や標的、ターゲットといった表現を使っていますが、マーケティングは弓や銃などの競技で的を用意されているわけではありません。

 

市場という数多くの標的に成り得る的が存在し、どれを狙えばいいのか判断するためには、市場を切り分ける軸を定めることで、基準をつくります。

 

例えば、日本国内での営業をしている企業は日本という市場を「地理」という軸で分けると、東日本と西日本、47都道府県などと分けることができます。

 

ターゲティング

セグメンテーションにより、狙い撃つ的の判断基準が設けられました。そして、どの的を実際に狙うかという判断を下すのがターゲティングです。

 

狙う市場を「標的市場」と呼び、ターゲティングとは「標的市場の選定」を意味します。

 

日本を地理的に細分化すると、47都道府県に分けられます。そして、ターゲティングでは実際にどの市場、すなわちどの都道府県を狙うかを定めます。

 

もし、あなたが何かお店を開いていて、その商圏が東京都内であるなら、自ずと地理的ターゲットは東京都なります。

 

ターゲットの選定条件の一つに、顧客に到達できることがあります。つまり、商圏内であることが要件ですので、地理的にはターゲットは東京に絞られます。

 

ここで、ターゲットの選定に不備や不満がある場合は、セグメンテーションで新たに軸を選びなおす必要があります。

 

この場合、商圏が東京と初めから決まっているなら、東京というターゲティングに意味などなく、別の方法で市場を切り分けなければなりません。

 

ポジショニング

標的市場が決まったら、自社の立ち位置の決定に移ります。ポジショニングという言葉通り、「位置(ポジション)」の確立がポジショニングの役割です。

 

ポジショニングの要諦は、顧客(市場)に認識される立ち位置を確立することです。

 

自社がいくら自分で魅力的だと訴えても、顧客から魅力的だと映らなければポジションは確立できていません。

 

如何に他社より優れた商品を開発していても、顧客からは優れていると見られていないのであれば、実質その商品は優れてないも同然なのです。

 

例えば、日用品の「シャンプー」の場合。「髪をただ洗えればいい」と思っている顧客には「最安」という立ち位置を取る必要があります。

 

綺麗な髪でいたいと考えている顧客には「潤いのある髪を保つ」という立ち位置を作れば、標的顧客には、最も魅力的に映るでしょう。

 

開発コストがかかり値段が多少割高なら、逆に「最安」を求める顧客には全く魅力的に映らないでしょう。もちろんそのような顧客は標的ではないため問題ありません。

 

ポジショニングで問題なのは、標的市場の求める魅力と合致したポジションを築けるかです。

 

顧客にとって価値あると思われるような地位を得られるかが重要なのです。


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