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流通(Place)

 

Placeは直訳すると「場所」を意味します。つまり、マーケティングでは製品がどの場所を通って顧客の手に至るか「流通経路」を意味します。

 

また、Placeは流通チャネル、または単にチャネルともいいます。

 

流通チャネルの意義

流通経路がなぜ大事なのか、マーケティングの4Pに数えられるのか不思議に思いませんか?

 

マーケティングで大事な要素である4Pを見ると、製品はいわずもがな、顧客に価値を与える提供物です。

 

価格は製品との交換に顧客が支払うコスト、プロモーションはブランドや製品の認知や顧客とのコミュニケーションに関わります。

 

しかし、顧客からは製品がどういった流通経路をたどるかなど把握できませんし、顧客にどう価値を与えられるかはっきりとしないため、チャネルがどの程度重要なのか理解しにくいと思います。

 

では例え話を使ってチャネルの重要性を検証してみましょう。

 

質問です。あなたは今「コカ・コーラ」を飲みたいとします。家に買い置きはありません。では、どこで買いますか?

 

回答は自由です。

 

自宅から最も近い自動販売機で購入するかもしれませんし、最寄りのスーパーやコンビニといった小売店、ファミレスのドリンクバーやファストフードのドリンクを頼むのもありかもしれません。

 

選択肢は色々と出てきますね。

 

ありがたいことにコカ・コーラならどこでも買えるというほど購入手段の選択肢は豊富で便利です。

 

この購入に便利な状況こそチャネル戦略の賜物なのです。

 

コカ・コーラは「飲みたい!」と思い立ったらすぐにでも購入できます。

 

しかし、もし仮に手近なところに置いてなかったらどうでしょう。違うブランドのコーラや似たような炭酸飲料で代用してしまうのではないでしょうか。

 

つまり、チャネルがしっかり構築できていないと他の製品に先を越されてしまうのです。良い製品があっても顧客に届かなければ意味がありません。

 

顧客が欲しいと思っているときに、顧客の手が届く場所に製品を置くことができれば、競合に先んじて購入してもらうことができます。

 

すなわち、チャネルで競合に差をつけることも十分可能なのです。

 

このようにチャネルはマーケティング上、重要な要素の一つなのですが、実際に製品を流通させるとなると、流通業者などの仲介業者を必要とします。

 

流通業者の意義

自力で流通チャネルを築くことは非常に難しくコストもかかります。そのため流通業者に仲介してもらいます。

 

仲介を必要とする理由は大きく2つあります。

 

1つ目は流通コストとリスクの低減です。

 

生産者と最終消費者を結ぶ役割をもつのが流通チャネルです。

 

自社独自の流通チャネルというと、メーカー直営店や最終消費者に一軒一軒直接営業をかけるなどがあります。

 

地元に根ざした企業で顧客が少ないのなら問題ありませんが、全国展開する企業だと人件費をはじめとするコストがばかになりません。

 

店舗を運営するにも、採算がとれずに撤退するにもコストがかかるというリスクがあります。

 

そのため、仲介に流通を委託することでコストとリスクを低減できます。

 

流通業者が存在することで取引が合理化します。

 

下の図は流通業者の経済効果を図示したものです。

 

 

3つのメーカーが3つの消費者と取引する場合、合計9度の取引があります。しかし、間に流通業者が立つことで取引回数が合計6度になりました。

 

流通業者がいない場合、メーカーは不特定多数の各消費者と個別に取引しなければならないため、膨大なコストがかかります。

 

流通業者が間にいることで不特定多数の消費者との取引が経済的に合理化されます。

 

流通業者を利用する利点の2つ目は売上機会の増大です。

 

全国には膨大な数の小売店が存在します。これらを活用しない手はありません。

 

自社独自のチャネル、例えばメーカー直営の電器店のみで販売するより、全国に展開する家電量販店で販売してもらう方が多くの消費者に販売する機会が得られます。

 

なお、製品を倉庫などに保管し、顧客の手元へと配送させることを「物流」といいます。

 

保管・輸送の役割を持つ「物流業者」ではなく、販売を仲介する役割を持つ「流通業者」がチャネル戦略でチャネル設計の主な対象となります。

 

流通チャネルはモノ以外にも情報の流れ、情報流も扱います。

 

製品を運ぶには受発注情報が正確にやりとりされなければなりません。

 

そのため、情報システムの構築などで情報の正確なやりとりを実現するといった、情報の流れの管理もチャネルの役割になります。

 

 

せっかく生産した有用な製品でも、顧客に価値を提供し、その交換の見返りとして対価を受け取る「場」がないと生産者にとっても、顧客にとっても不都合が起きます。

 

生産者と顧客を繋げ、適切な交換活動ができる場を創造することが流通チャネルの意義です。

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