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価格設定に役立つ3つの観点

 

価格設定で考慮すべき要因については既にお話しました。次に、価格の設定についてお話したいところですが、価格を設定する際に持つべき3つの観点についてお話します。

 

プライシングはどのような観点でなされるかを予め知っておくと、以降にお話する価格設定方法など、価格戦略がスンナリと理解できるようになると思ったからです。

 

価格設定の際に役立つ3つの観点とは、売りたい価格売れる価格売るべき価格です。

 

売りたい価格

売りたい価格とは、文字通り企業が売りたいと考える価格です。

 

製品を販売することで利益を獲得することが企業の目的なため、必然的に製品の価格には利益が確保できるよう設定したいと考えます。

 

このような観点で価格を設定することが「売りたい価格」から価格設定をすることを意味します。

 

製品に利益を乗せる価格設定法は、コストプラス法が代表的です。設備や人件費といった固定費と原材料などの変動費を足し、企業が上げたい利益を上乗せする方法です。

 

製品1個当たりの費用さえ分かれば、確保したい利益を合算するだけで設定できるため、単純な価格設定法です。

 

ただし、企業が売りたいと考える価格では、消費者は必ずしも納得のいく価格とは考えないでしょう。そのため、売りたい価格という企業以外の視点も価格設定では必要になります。

 

売れる価格

売れる価格とは、企業が利益を確保できるどうかという観点ではなく、消費者が買ってもいいと思う観点で価格を設定すること意味します。

 

売りたい価格では必ずしも売れません。そのため、どのような価格なら売れるのかを考えましょう。

 

このとき、知るべきものは「買いたいと思っている消費者の数」と、「いくらで買おうと思っているか」という関係、すなわち需要量、そして需要の価格弾力性です。

 

基本的に、安ければ多くの人が買います、反対に高ければ買う人は少なくなります。

 

まず、どのくらいの価格が「高い」と感じるのか知ることが大事です。

 

そのうえで、価格を高く設定するか、低く設定するかを決定しましょう。

 

価格の高さは戦略次第で異なりますが、低価格で多くの人に販売するか、高価格で少ない人数の販売するか、どちらがより多くの利益を確保できるかを調査しましょう。

 

売るべき価格

採捕の観点がこの売るべき価格です。売る「べき」という意味は感覚的には分かりにくいかと思います。

 

そのため、戦略上採用するべき価格、あるいは競合に優位な価格と言った方が適切かもしれません。

 

市場にはさまざまなプレーヤーが存在し、企業も一つだけではありません。数多の企業が同様の事業を営んでおり、日々競争しあっています。

 

消費者は競合他社と自社の製品を比較して、購買を決定します。一つの企業からしか供給がないのであれば話は別ですが、多くの業種はそんな独占はありません。

 

企業は常に消費者の購買選択の土俵に上がり、如何に選ばれるか鎬を削っております。

 

価格は購買決定の重要な要因の一つです。消費者の家計事情に大きく関わる以上、消費者は製品の価格を軽視しません。

 

価格もマーケティング戦略上、重要な要素です。自社と消費者のみの観点では戦略性はありえず、競合を理解してはじめて戦略的な価格設定が可能になります。

 

市場に流通している価格は一様ではありませんが、業界標準的な価格は存在します。

 

市場シェアが最も高い企業を「リーダー」と呼びます。

 

リーダー企業が市場に流通させている価格は必然的に業界標準の価格となり、価格戦略はこの価格より上を採るか下を採るか、あるいは同じ価格かに尽きます。

 

リーダーに対抗しうるシェアを持つなら、リーダーと同様の価格を採用しても、リーダーとは異なる魅力を持つことを消費者に認知させてシェアを獲得できます。

 

特に製品自体は代わり映えしない場合は、コスト削減を徹底してリーダーよりも低価格で販売します。プライベートブランドは概してこの価格戦略を採用しています。

 

そして、リーダーが狙わないニッチな市場にいる企業なら、より高い価格で販売して製品当たりの利益を高く確保する戦略を採用します。

 

 

以上、3つの観点を見てきました。それぞれ、利益を確保したい、多くの利益を確保できる量と価格の関係、戦略上有効な価格といった次第です。

 

価格設定には3つの観点、売りたい価格売れる価格売るべき価格があることを念頭に置いて下さい。

 

価格戦略への理解を一層深めることができます。

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