バズ・マーケティング、バイラル・マーケティング|口コミを使ったマーケティング手法
口コミのマーケティング利用
口コミとは、消費者間での情報伝達を意味します。
インターネットの普及以来、「口コミ」は非常に重要視されるようになりました。
誰もが、ブログやSNSで製品の良し悪しを発信でき、口コミサイトやレビューサイトではさまざまな利用者が評価を共有できるようになりました。
飲食店では口コミが功を奏して、宣伝に費用をかけずに抜群の効果のプロモーションができる一方、悪評が立てば、全く来客がない事態になることがままあります。
口コミの特徴は消費者同士で繋がっており、消費者が他の消費者の購買に影響を与えることです。
そのため、企業の与り知らぬところで、いつの間にか評判が広がっていることもしばしばあります。
消費者は企業から伝えられる情報よりも、親しい人から伝えられる情報を信用するため、口コミは消費者の購買行動に強く影響を与えます。
企業はあの手この手を使い、消費者の購買行動に影響を与えようと、プロモーションに莫大な費用をかけている昨今、コストをかけずに消費者の購買行動に良い影響を与えられるとしたらどんなに心強いことでしょう。
口コミを使えば、コストをかけずに大きなプロモーション効果を得られることができます。
バズ・マーケティング、バイラル・マーケティング、WOM・マーケティング
口コミが多額のコストを費やさずに、消費者の選好に大きく影響を与えることがわかり、口コミをマーケティングに組み込むようになりました。
口コミを使ったマーケティング全般を口コミ・マーケティングといいます。
口コミ・マーケティングは他にも、バズ・マーケティング、バイラル・マーケティング、WOMマーケティングとも呼ばれます。
それぞれ口コミを用いたマーケティング手法であり、根幹は同じです。
WOMはWord Of Mouthの略で、口コミを意味します。そのため、WOMマーケティングを訳せば、口コミ・マーケティングとなり、違いはありません。
バズ・マーケティングとバイラル・マーケティングは口コミ・マーケティングの一類型です。
バズとバイラルは、ほぼ同義であるとされます。
しかし、“ほぼ”とあるように、若干の違いがあります。
まず、バズ(buzz)とは「ハチなどがブンブンと飛び回る」ことを意味します。
このことから転じて、消費者同士で口コミやウワサ話が飛び交う状態をバズといい、バズ・マーケティングは意図的にバズを発生させるマーケティング手法です。
バイラル(viral)とはvirusの複数形で、日本語ではウイルスというドイツ語で普及しています。
口コミが消費者から消費者へと、自己増殖するウイルスのように転移することになぞらえて、バイラル・マーケティングと呼ぶようになりました。
バズ・マーケティングはウワサ話で話題を盛り上げようとするのに対し、バイラル・マーケティングは人から人へと情報が伝わることを目的としているきらいがあります。
両者に明確な定義がされていませんが、人目を惹きつけるような口コミがバズ、情報の拡散を主眼とした口コミがバイラルとされていると見受けられます。
口コミ・マーケティングはインターネットに限った話ではないのですが、インターネットの普及によって口コミの影響力が急速に高まり、Web上のマーケティングで用いられることが多くあります。
代表例に、ホットメールはホットメールから送信するメールに、ホットメールへの加入を促す広告を入れました。
つまり、ホットメールの利用者は実質的にホットメールの広告を拡散していことになり、功を奏して加入者を18ヶ月のうちに1,200万人増やしました。
この例は、バイラル・マーケティングの成功例として語られています。そのためか、バイラル・マーケティングはネット上の口コミ・マーケティングを意味する場合もあります。
口コミ・マーケティングは口コミをコントロールするマーケティング
さて、これまでに口コミを用いたマーケティング手法があることを紹介しました。
口コミは消費者間で行われるため、企業が立ち入れる領域ではないと思われます。
しかし、それは誤解です。
確かに、消費者間でやり取りする情報に手を加えることはできません。
しかし、消費者にどんな情報をやり取りして欲しいかはコントロールできるため、、口コミはある程度コントロールできるのです。
口コミをコントロールするのが、口コミ・マーケティングの役割です。
例えば、バズは自然発生するものではなく、企業が意図的に作ることができます。
実際に、バズを発生させることを手伝うマーケティング会社もあるのです。
話題性のある情報を企業が提供して、消費者間で話題を盛り上げてもらいます。
それでは、口コミ・マーケティングのコツを紹介します。
口コミが上手く広がるには、消費者に影響力のある人をターゲットにし、積極的に働きかけましょう。
消費者に対し、強い影響力を持つ人をインフルエンサーと呼びます。
インフルエンサーにアプローチできれば、口コミを広がらせることが容易になります。
わざわざ100万人にアプローチしなくても、100人の適切なインフルエンサーにアプローチできれば、後はインフルエンサーが100万人に広めてくれます。
インフルエンサーがいれば、インフルエンサーを中心に情報が発信され、人から人へと伝わるバイラル・マーケティングとなります。
なお、インフルエンサーを用いたマーケティングをインフルエンサー・マーケティングと呼ぶこともあります。
顧客からフィードバックを貰いましょう。製品・サービスを利用してくれた顧客の声を直接聞いて、それを引用させてもらいます。
顧客に響く言葉は、やはり顧客の言葉なのです。
優れた製品・サービスを提供しましょう。
これは言わずもがなですが、顧客が満足する価値を提供すること、期待以上の価値を提供することが一番有効なのです。
最後に、苦情は迅速に処理しましょう。
ネガティブな情報は非常に広がるのが速いです。
悪い口コミが広まるのを防ぐには、企業が迅速に、かつ誠実に対応しましょう。
消費者への対応が遅いと、それだけで企業の怠慢を指摘され、さらなる悪評が広まってしまいます。
最悪の場合、その悪評が何年も消えません。
反対に、迅速に対応すれば悪評の広まりも落ち着きます。
口コミのコツは、影響力の強い人と接触し、顧客の声を用い、顧客に優れた価値を提供し、苦情には迅速に対応することです。