リサーチはどれだけ重要か―リサーチの目的
まず製品を作り、その後にさまざまな広告や宣伝などの販促活動をして販売し、利益を得るというビジネスは既に通用しません。
需要が供給を上回っていたはるか昔の、「はじめに製品ありき」な生産志向の時代なら、いくらでも稼げていたでしょう。
しかし、現代の市場では製品ありきなビジネスは通用しません。そのような「企業本位」な製品やサービスには顧客は見向きもしないのですから。
顧客が何を欲しているのかを知らずして、メーカーが自社の技術や資源に注目して売りたいものを作るシーズ志向より、顧客が欲しいものを作るニーズ志向の方が成功の確率が高いです。
限られた経営資源を経験や勘といった当てずっぽうの方策に頼るより、リサーチにより戦略の妥当性をチェックしたマーケティング戦略は失敗の確率も減りますし、仮説・検証を繰り返して精度を向上させることも可能だからです。
リサーチの役割は一言でいうと「顧客と企業の架け橋」です。
なお、マーケティングにおける意思決定に必要な情報の収集から分析までのプロセスをマーケティング・リサーチといいますが、本サイトでは単に「リサーチ」という場合は、「マーケティング・リサーチ」を意味します。
マーケティングは顧客を中心にして戦略を積み上げるため、顧客を知る必要があります。そして、「顧客の声」を聞くための活動こそがリサーチです。
顧客の声に耳を傾けることにより、顧客が何を求めているのかが分かり、新たなニーズを発掘することが期待できるのです。
リサーチは戦略策定や製品設計時の顧客ニーズの調査のために行う以外の場面でも用います。
マーケティング戦略の打ち手を実行した後でも、打ち手の効果検証や新たな問題の発見など、次の戦略策定のためのフィードバックが得られます。
リサーチを行うことによって、現在提供している製品・サービスにどれだけ満足しているか、あるいは満足していないか満足度を調査し、商品・サービスの改善点をの発見や消費者間のトレンドを捉えることができます。
リサーチの目的は大きく分けると2つに分類できます。
その2つとは「問題の発見」と「問題解決のための情報収集」です。
上記の新たなニーズの発掘は問題の発見にあたり、提供物の満足度の調査は提供物がなぜ顧客に受け入れられないか(あるいは受け入れられたのか)という問題を解決するための情報収集にあたります。
無論、問題を発見してから問題解決のための情報収集も行うため、リサーチは一つのマーケティングプロセスの中で何度も繰り返し行われることもあります。
消費者のニーズが多様化している現代ではニーズを掴むことが困難となり、よりリサーチの重要性が増しています。