得難いモノほど欲しくなる|希少性
消費者の購買を誘因する身近で簡単な方法があります。それは商品に希少性を付けることです。
希少性とは字面通り、数が少なく、珍しいことです。同じような意味の言葉で、限定性があります。希少性、限定性ともに、数が少ないということに価値を置く人間心理を巧みに刺激します。
人は、商品の絶対数が少なかったり、利用機会が限られている場合に、より一層商品や機会が価値があるものに思えてくるのです。
実際にある例では
・期間限定!
・数量限定! 1000個まで!!
などが良く見られます。
これらの特徴は、「この機を逃すと今後同じ機会が得られないかもしれない」と思わせることです。
人は可能性を失ってしまうことに大きな損失を感じてしまうのです。
私が以前経験した例で、ある靴屋を通りがかったときです。
その靴屋は大々的に「閉店セール」を行い月末に閉店し、全品30%OFFを謳っていました。すると、私はどうしたでしょうか?
靴の入用は全くなかったのに、つい入店していくつか靴を試し履きして、一足購入してしまいました。
「してしまいました。」とはいったものの損をしたわけでもないし、今後その靴を履く機会は必ずあるため不必要な買い物でもなかったのです。
しかし、数カ月後に同じ場所を通りがかると、依然としてその靴屋は営業しており、しかも「閉店セール」をやっていたのです。
みなさんの周りにもいつまで経っても閉まらない「閉店セール」を開催している店舗があると思います。
それらはみな、今買わないと安く靴を手に入れる機会を失ってしまうという人間心理を喚起する販促手法を展開していたのです。
私もその手法に“引っかかってしまった”客の一人ということです。
実際に安く購入できたと思うので多分もともと安売りの靴屋なのでしょう。このとき私はそういった販促手法に初めて遭遇したため見事に釣られてしまいました。
このような販促手法も立派な希少性を利用した販売です。
インターネットでもこの手の“機を逃す”ことを喚起させる方法があります。
あるページにアクセスした瞬間にカウンターが動くようプログラムしたWebサイトがあり、「初回アクセスから72時間の間のみこのページにアクセスできます」と告知し、72時間からタイマーの時間が減る様を刻々と表示させます。
そして、初回アクセスから72時間経過した後にはそのページに2度とアクセスできず、チャンス(商品やサービスの購入、会員登録などの機会)を失ったということになります。
この手法はタイムリミットまでの時間を表示することで、機会を失うことの恐怖を喚起させます。
カウンターを見せることで刻一刻と期限が近づくことを理解させるため、希少性という新たな価値を加えることができます。
人は失うことに大きな損失を感じてしまうため、希少性を付けてその利用機会を逃す可能性を明示すれば、相手はより高い価値を見出します。