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結局は「買って得するか、買わないと損するか」に行き着く

 

購買意欲をかき立てるさまざまな方法

マーケティングや広告コピーなどには、さまざまな効果や人間の心理的性質、理論などが用いられています。

 

希少性、限定性、緊急性、権威性、社会的証明の原理、プロスペクト理論、アンカリング効果、ハロー効果、フレーミング効果、コントラストの原理……。

 

中には直接的に購買意欲を刺激するものではないものも含まれています。

 

上に挙げた以外にも、〇〇性、○○効果などは多数存在します。

 

このように消費者の購買意欲をかき立てる方法は数多くありますが、これからも似たような新たな方法が現れると思います。

 

これらの理論に共通するのは人の心を揺さぶる、あるいはこちらの意図に誘導する方法です。あの手この手で消費者を購買まで導きます。

 

消費者の購買意欲をかき立てる方法はさまざまあるものの、結局のところ「買うと得する」か、「買わないと損する」かの2つに突き詰められます。

 

希少性や限定性は、期間や数量等で販売機会を限定して希少価値を高めることです。

 

例えば、「数量限定! 先着100セット」のように限定性をつけると、人は今買わなければお買い得の機会を失ってしまうと感じるのです。

 

機会や権利といったものでも損失を痛みと感じてしまいます。実際には何も失ってはいないのですが。

 

つまり、「買わないと損する」という感情を刺激しているのです。

 

プロスペクト理論とは人はリスク回避の性質を持つという理論です。人は損失を回避しようとする傾向が強いことをこの理論で示しています。

 

例えば、条件1はコイントスをして表が出たら200円獲得、裏が出たら何も得られない、条件2は何もせずに100円獲得できるとします。

 

条件1と2、どちらも獲得できる期待値は等しく100円です。

 

条件2は確実に100円獲得できますが、条件1なら何のリスクも負わずにより多くの金額、200円を獲得するチャンスが得られます。

 

この2つの条件を提示し、どちらを選ぶか迫ったとき、多くの人は条件1を選択します。

 

これは、確実な利益が見込めるとき、人は利益を逃すリスクを回避しようと考えるために条件1を選ぶ傾向があるのです。

 

人は損失を回避することに敏感に反応してしまうため、この商品を購入することで損失を避けられるということを訴求すると、消費者に強く響きます。

 

コントラストの原理は購買意欲を直接刺激するものではありませんが、値ごろ感を演出することで「得する」感覚を与えることができます。

 

値引き販売をするときに、単に値段を下げるのではなく、値引き前の値段を表記して値引き後の値段がどれだけお得なのかをアピールすることができます。

 

人は快楽を得て、痛みを避ける

ここまで、消費者の購買を促すさまざまな方法があるとお話しました。

 

最後に、フロイトによると人は「快楽を得て、痛みを避ける」と言われています。これは、人の行動の動機は快楽を得るか、痛みを避けるかにあると説明しています。

 

何か商品を購入する場合も動機は、快楽を得るためか、痛みを避けるためかにあります。

 

消費者はこの商品を買うことで、どのようなベネフィットが得られるのかを吟味します。

 

この枕を使えば心地の良い睡眠(快楽)が得られる、このサプリメントを飲めば体脂肪の悩み(痛み)を解消できるなど、快楽と痛みは強い動機になります。

 

やはりこれも得するか、損しないかと同じ意味を持ちます。

 

人を購買に誘導する方法、購買意欲を刺激する方法はさまざまあり、これからも新たな方法が考案されると思います。

 

新たな方法論に飛びつく前に、そもそも購買動機は「買って得するか、買わないと損するか」に突き詰められることを念頭に置けば、さまざまな方法の理解も深まりますし、新たな方法も理解が早まると思います。


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