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SWOT分析A|組織内外の環境・内部分析とマトリクス

 

SWOT分析│内部環境とマトリクス、留意点

 

SWOTの内部分析

SWOT分析における内部環境SWとは、Strength / Weaknessを表します。すなわち、強みと弱みです。

 

魅力的な市場機会を発見したとしても、自社にその市場を攻める強みとなる資源が無ければ無意味です。

 

そのためには、自社環境の強みと弱みを分析する必要があります。

 

内部環境もまた、外部環境同様に“攻め”と”守り”の観点で分けられ、強みは“攻め”、弱みは“守り”となります。

 

網羅した弱みを全て潰しておけば強くなるわけでもなく、強みを全て磨く必要はありません。大事なのは、その強みが市場機会を攻めるうえで、どれだけ活かされるかということです。

 

また、強み / 弱みは相対的な指標です。

 

例えば、自社は莫大な資金力と資金調達能力があると誇っても、競合がみな超大規模企業ばかりでは強みにはなりません。競合もまた同様の資金力を持っているため、資金力は戦う前提になるということです。

 

強み / 弱みは企業の資源という観点から見出すものです。

 

資源とは主にヒト、モノ、カネ、情報です。これらを内部環境の強み / 弱み分析に当てはめてみると、組織(ヒト)、製造(モノ)、カネ(財務)に当てはまり、情報はマーケティングに代わります。

 

強み / 弱み分析の確認事項

組織
リーダーシップ、マネジメント、優秀な従業員、組織の機動力、臨機応変に立ち回れる危機対応力や柔軟性 など

 

製造
製造設備(自社工場、優秀な外注先)、生産能力(規模の経済性を活かせる、大量生産可能)、従業員の能力、納期の早さ、品質の良さ、技術力、特許 など

 

財務
資金力、資金調達能力、キャッシュフロー、財務の安定性、コスト など

 

マーケティング
シェア、評判、顧客満足度、製品・サービス(品質、デザイン)、価格、流通、プロモーション、地域カバレッジ、リピート率 など

 

上で挙げた確認事項は一例です。強みあるいは弱みを見つける参考にご活用下さい。

 

SWOT分析のマトリクス

SWOTは内部環境と外部環境に分けられ、それぞれさらに2つずつに分けられます。

 

したがって、SWOTは内外の組み合わせ2×2のマトリクスを作れます。

 

マトリクスは4つの象限で構成され、それぞれの象限に戦略代替案を導きだせます。以下が基本となる代替案です。

 

  強み(Strength) 弱み(Weakness)
機会(Opportunity) 強みを活かして、機会を攻める 弱みを補い、機会を逃さない
脅威(Threat) 脅威の影響を最小限に抑える 撤退する

 

自社戦略計画や事業部門がどの象限に当てはまるかを分析し、それぞれの戦略代替案の検討に役立てます。

 

以上のマトリクスはあくまでも、基本であり、杓子定規的に「弱み」かつ「脅威」となる象限にある計画や事業部門は必ずしも撤退を迫られません。

 

SWOT分析の留意点

SWOT分析は環境分析において、最も有名なフレームワークの一つです。主に、戦略策定時の環境分析に用いられます。

 

しかし、ある面でSWOT分析は戦略策定に不向きな点があります。分析を行う際に、一つ心に留めておかないといけない点があります。

 

それは、強みと弱み(あるいは機会と脅威)の判断がつかないことがあるということです。

 

強み / 弱み、機会 / 脅威というのは相対的なものです。つまり、見方を変えればこれらの状況も反転してしまうのです。

 

例えば、「企業の規模が小さい」。これは強みでしょうか、弱みでしょうか。

 

単純に資金力や人員で真っ向から戦うのであれば、「弱み」です。

 

しかし、中小企業の強みとして意思決定の早さや組織の機動力、柔軟性などもあり、組織面では「強み」にもなります(大企業は官僚的というステレオタイプな前提に立った場合の強みです)。

 

ここで、「我が社は零細だから弱みだ」という前提にたって戦略を立ててしまうと、本当の意味で「市場機会」を逸してしまうかもしれません。

 

他にも、規制緩和は既存の企業にとっては「脅威」かもしれませんが、緩和による競争の促進はこれから進出する企業には「機会」にもなります。

 

このように、戦略策定時のSWOTの判断が戦略の誤りの一因になりかねないため、SWOT分析は実行前の段階で行うことは不利になる場合があります。

 

そのため、SWOTは戦略の実行後の評価に行うと、正しい分析ができます。

 

「結果的に規制緩和は機会であった」といった判断が下せるため、全くのゼロから戦略を策定するのにSWOTは不向きな面があります。

 

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