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消費財の購買態度による分類|最寄品、買回品、専門品、非探索品

 

製品はさまざまな分類ができ、販売対象による分類では、生産財と消費財に分けることができます。

 

消費財はさらに、消費者の購買態度や特性によっても分けることができます。

 

財の特性によってプロモーションや流通をはじめとするマーケティング手法が異なるため、財の分類を確認することは重要です。

 

それでは、消費財の分類をこれから解説していきます。

 

購買態度による4つの分類

消費財を購買態度によって分けると4つに分類できます。購入頻度や製品単価などの特徴で分けられていることに着目してお読みください。

 

1.最寄品
「最寄」というように、消費者の購買頻度が最も高い消費財です。単価は低く、何度も繰り返し購入されます。

 

消費者が特別な努力を払わず、日常の生活行動圏内で購入する製品です。

 

また、計画的に購入されることはなく、購買までの意思決定時間が最も短い製品でもあります。

 

最寄品はさらに細かく分類できます。

 

消費者が定期的に購入する製品を恒常商品といいます。

 

タバコや石鹸、トイレットペーパーなどは定期的に(消耗すれば)購入することから最寄品の中でも恒常商品に分類されます。

 

購買計画を立てずにその場その場で衝動的に購入する製品を衝動購買商品といいます。

 

買い物途中につい買ってしまうスナック菓子やコンビニのレジ横に置いてあるような、から揚げやおでん、肉まんなどは衝動購買商品に分類できます。

 

本や雑誌などはたまたま目に付いたジャケットが気に入った、気になったなどの理由で衝動的に購入に至ることがあるため、衝動購買商品に分類することもできます。

 

急を要する場合に購入される製品を緊急商品といいます。

 

外出先で急に雨に降られたときなどはコンビニや駅などて買う傘などが緊急商品に分類されます。

 

緊急商品は購入の必要性があるときにはじめて需要されるという特徴があります。

 

先の傘の例では、朝から雨が降っていれば外出時に自宅に備えてある傘を持ちだすため、緊急な傘の需要は発生しません。つまり、状況によっては傘は緊急商品でなくなります。

 

最寄品は消費者が特に購買計画を立てずに日常的に購買する製品なため、消費者がいつでも購入できるよう多くの店舗に流通させ、多くの製品を陳列させることが有効な販売方法です。

 

2.買回品
「かいまわりひん」と読みます。

 

買回品は、購買前に品質や価格、商品特性などをよく比較されるなど、購買計画を立てて購買される特徴があります。家具や衣料品、家電製品などが買回品に分類されます。

 

購買頻度は低く、単価は高めです。

 

販売の際、流通は最寄品ほど多くなく、少数の店舗で選択的に販売します。店舗では、専門の教育を施した販売員が顧客の相談に乗れるような人的販売が有効です。

 

最寄品以上に、価格やデザイン、性能、品質など顧客の好みは多様なためマス的なプロモーションではなく、一人ひとりのニーズに合わせた販売が可能になるよう販売員教育や流通システムを整備するすることが求められます。

 

3.専門品
専門品とは独自のブランドや個性を持った製品で、高単価で消費者は購買まで十分な努力をかけようとする特徴がある製品です。

 

概して、高級ステータスになるような製品は全て専門品に分類できます。高級自動車や、ハイブランドなファッションやスーツなどがあります。

 

消費者は専門品の購入のためなら、時間や労力、金額などに多大な努力を払います。

 

販売している店舗は非常に少なく、高いロイヤリティをもつ消費者は購入のために専門の店舗に赴き製品の指名買いをします。

 

競争力の維持のために、多大なマーケティング上の努力を要しますが、高単価な製品の販売により利益率の高いビジネスを構築できます。

 

販売の際には、足を運ぶのに便利な立地にする必要はないが、見込み客には場所が伝わるようにしておかなければなりません。

 

また、生産業者や生産数量を絞り、慎重に適切なプロモーションが求められます。

 

一般に、高級品は消費者に頻繁に売り込みをかけておらず、プロモーション方法も買回品や最寄品とは大きく異なっています。

 

専門品は商品の物理的特性(車をただの移動手段、バッグをただの持ち運び手段としてみなすこと)で選ぶのではなく、ブランドが作り出す世界観に共感する消費者にプロモーションをすることで高いロイヤリティを獲得するよう努力しています。

 

例えば、スーツは着れるのなら何でも良いという考えの消費者ではなく、トムフォードのスーツが欲しいと考えている顧客に提供するというような、明確にターゲットを選んでいることが専門品を扱う企業から見受けられます。

 

4.非探索品
消費者が購入することに興味を示さない製品を非探索品といいます。簡単に言うと、要らないと感じている製品です。

 

全く新しい製品、革新的な製品も初めは非探索品です。

 

具体的には、生命保険や百科事典、仏具や墓石などです。

 

非探索品は、消費者が知っていようが、知らなかろうが購入しようと考えていない製品なため、積極的な広告や人的によるプロモーションによって消費者の興味を喚起します。

 

消費財4種のまとめ

消費財の分類とその特徴を以下に、表でまとめます。

 

  最寄品 買回品(かいまわりひん)
消費者の購買行動

購買頻度は高く、計画性は無い。
比較検討も少なく、購買努力は少ない。

購買頻度は比較的低く、計画的に購買する。
購買に対する努力は大きいため、比較検討も行う。
価格、デザイン、性能、品質、ブランドなど好みは多岐に渡る。

価格 低い 高め
流通

多くの店舗に流通させる。
交通に便利な立地。

比較的少数。
選択的な店舗展開。

プロモーション マス的 メーカーの広告によるプロモーションと小売店による人的販売
製品の例 石鹸、タバコ、雑誌

洗濯機、冷蔵庫、テレビなどの家電。
衣料品

 

  専門品 非探索品
消費者の購買行動

購買頻度は低く、計画性は大きい。
価格にはさほど敏感ではない。
購買の努力は大きい。
強いロイヤリティを持ち、比較の努力は少ない。

認知度は低い。
認知していても購買への関心も低い。

価格 高い 多様
流通 限定した店舗展開 多様
プロモーション ターゲットを絞る 消費者に積極的に働きかける
製品の例 高級ファッションブランド、高級自動車 生命保険、墓石、仏具

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