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プロモーション・ミックス|さまざまなプロモーション手法

 

プロモーション・ミックス

顧客に情報を伝達するにはさまざまな手法やメディアを組み合わせます。

 

プロモーション・ミックスとは、プロモーション手法の組み合わせです。プロモーションをコミュニケーションに置き換えて、コミュニケーション・ミックスと呼ぶこともあります。

 

自社の戦略に沿って最適なプロモーション手法を組み合わせることが、プロモーション・ミックスで求められることです。

 

プロモーション手法の代表的なものとして以下のようなものがあります。

 

1.広告
プロモーション手法の中で代表的な手法です。

 

企業が広告主となり、企業負担(有償)で行う宣伝を広告といいます。

 

TVで放映されるCM、新聞・雑誌、インターネットに掲載される広告、看板などです。

 

2.販売促進(セールス・プロモーション)
セールス・プロモーションともいいます。

 

「販売促進」ではプロモーション・ミックスの手法の一つではなく、「販売を推し進める活動全般」と捉えられてしまうためセールス・プロモーションとした方が混同されにくいと思います。

 

広告が消費者にイメージを浸透させる手法なのに対して、セールス・プロモーションは購買に直接つなげる手法です。

 

ただし、直接購買につながるアプローチでも人的販売(後述)とは切り離されて考えられます。

 

セールス・プロモーションには流通業者に対して行うものと、消費者に対して行うものがあります。

 

販売コンテスト、見本市、展示会、クーポンなど短期的な販促効果を発揮する手法です。

 

3.人的販売
見込み客と対面による接触する、営業販売活動です。

 

見込み客を直接訪問する営業、実演販売、販売会や見本市での顧客対応などが人的販売に当たります。

 

4.パブリシティとPR(Public Relations)
企業や製品のイメージを保護するために計画されたさまざまなプログラムです。

 

テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどのマスメディアに対するニュース素材(新製品情報など)の提供、プレスリリース、機関紙、会報などのコミュニケーション・ツールがあります。

 

5.ダイレクト・マーケティング
郵便、電話、FAX、Eメールなどを用いた、見込み客と直接的な接触により、反応を求めることです。

 

 

以上、プロモーション・ミックスの主な手法と代表的なコミュニケーション手段について話しました。

 

ここではプロモーション・ミックスの紹介にとどめ、個々のプロモーション手法の詳細については他の項で取り上げます。

 

プロモーション・ミックスではそれぞれ別個のプロモーション手法をとるのではなく、組み合わせて相乗効果を狙うことが重要です。

 

例えば、ある家電製品の場合、TVCMで顧客に製品の存在を認知させました。

 

しかし、製品を知っただけでは購買には至りません。製品の性能や価格を知り、他社と比較をしたいと考えます。

 

そこまでの情報はTVCMの限られた時間では流せないため、CM内でホームページに誘導して詳しいスペックを掲載するしたり、店頭でカタログを配布したり、雑誌に詳細な記事を載せたりして見込み客の製品評価を手助けします。

 

この例では、製品認知と、製品情報の伝達で異なるプロモーション手法を用いました。

 

プロモーション活動は顧客の状況やプロモーションの目的に応じて最適な手法を選択し組み合わせます。

 

それぞれの手法のメリット・デメリットを把握した上で効果的なプロモーション・ミックスを設計することがマーケターの課題です。

 

口コミ――企業が介入しないコミュニケーション・ツール

プロモーション・ミックスの内に入れませんでしたが、口コミも忘れてはいけない重要なコミュニケーションです。

 

口コミは消費者対消費者の双方のコミュニケーションで、企業はコントロールできません。

 

しかし、口コミが企業の事業活動に与える影響は大きなものです。

 

あまりよく知らない企業の一方的な広告と、よく知っている親しい人からのオススメでは、親しい人からの情報の方が信頼できると感じます。

 

そのため、口コミは消費者の購買行動に影響を与え、引いては企業の事業活動に大きく影響を与えます。

 

口コミは基本的に企業の関与しないところで行われるため、企業は労せずプロモーション効果が得られます。

 

企業があずかり知らぬところで思わぬイメージアップがなされることもありますが、口コミには負の側面があります。

 

逆に購買を妨げる効果もあるのです。

 

口コミは消費者間の口頭によって伝達するものや、インターネットを介して伝達されます。

 

特に、インターネットではSNSのようなソーシャルメディアの普及によって瞬く間に情報が全国的に広がるようになりました。

 

今まで見向きもされなかった製品が口コミによって一躍ブームになることや、ネガティブな情報が広まることでイメージを大きく落としてしまうこともあります。

 

口コミは不確かな情報でも瞬時に広がるため恐ろしい面もあり、広まってしまった口コミはコントロールできないことも相まって、口コミ頼みは危険でもあります。

 

ネガティブな情報が広がってしまったときには、企業は積極的に情報を公開するなどで消費者の不安を和らげることに尽力する必要があります。

 

口コミは消費者間で行われるものの、企業が全く手出しできない領域ではありません。

 

バズ・マーケティングやバイラルマーケティングという消費者間のネットワークを利用したマーケティングや口コミの管理なども存在します。


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