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製品(Product)

 

製品は企業が、顧客のニーズを満たす手段をパッケージングして提供するものです。

 

マーケティングの4Pでは有形(製品)、無形(サービス)問わず、企業の提供物を「製品」と呼びます。

 

ビジネスでは製品こそが顧客に価値を与えるものなので、製品は経営、及びマーケティングにおける重要な要素です。

 

本項では、マーケティング・ミックスにおける「製品」の特徴について解説します。

 

製品とは

製品をマーケティングではどのように捉えているのか。

 

製品とは顧客が手にする「便益(ベネフィット)の束」であるととらえることが多くあります。

 

例えば、化粧品は化粧品そのものを販売しているのではなく、美しくさを販売していると捉えることです。製品を物理的特性ではなく、得られる機能で捉えています。

 

「便益の束」は製品の中核(コア)を簡潔に説いていおり、この製品をなぜ買うのか?という問いに明快に答えてくれています。

 

しかし、実際には消費者は「便益の束」だけを買っているわけではありません。

 

製品の「本質」だけが購買意思を左右するのではなく、実際は品質やブランド、パッケージングなど目に見える実態も重要ですし、アフターサービスやサポート、保証など製品に付随する機能も購買時に考慮されます。

 

製品はただ中核機能だけを備えて終わりではなく、実態や付随する機能までを包括して備えるホールプロダクトWhole Product)という考え方で製品を製造します。

 

それでは、製品とは一体どのような構成なのかを見てみましょう。製品は以下のように三層構造になっています。

 

1.中核(コア)部分
製品で最も大事な要素です。中核となるベネフィット・サービスとも言います。

 

その製品を製品部分であり、顧客の本質的なニーズを満たす機能です。

 

例えば、飲料水ならのどの渇きを潤す「液体」そのもの。自動車なら「移動手段」です。

 

2.実態部分
コアに付随する製品の実態です。主に、製品の特性、品質、スタイル、ブランド、パッケージングなどです。

 

コアを具体化し、製品としての実態がようやく掴めます。例えば、先の例の自動車なら、デザイン、外観、内観、ブランド名など目に見える形で現れます。

 

3.付随部分
製品に伴って付随されるサービスです。保証やアフターサービス、サポート、配達、メンテナンスなどのサービスが該当します。

 

製品のどの部分が競争上重視されるかは製品や市場環境によって異なります。

 

例えば、テレビなどの家電製品はもはや中核部分では競争上の優位性は得られないでしょう。どのテレビを購入しても「TV番組の視聴」は可能なため、コアは重視されません。

 

よって、実態部分で、デザイン性や機能の充実化で優位性を得る。付随部分で保証やアフターフォローなどで競合との差別化を図ることが迫られます。

 

サービスのように無形の提供物の場合は、実態部分での差別化が難しいです。そのため、付随部分で、コンサルティングやサポートを手厚く行うなどで競争優位性を得ようと尽力します。


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