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ポジショニングの基礎

 

ポジショニングって?

ポジショニングとは企業が提供する製品・サービスが消費者にとって購入するに値する価値を有していることを理解させるために取る立ち位置(ポジション)を指します。

 

STPのプロセスにおいて、セグメンテーション、ターゲティングと続き、最後のステップに当たります。

 

マーケティングとは消費者に価値を提供する活動全般を指します。

 

マーケターはポジショニングによって消費者に「我が社の製品は他社とは違う」ということを認識させることによって、提供する製品への価値を認めます。

 

言い換えると、「他に埋もれている商品は売れない」ため「他とは違う魅力を持つ商品」ということを表明し、消費者に認識してもらうことがポジショニングです。

 

これまでに出てきた、「理解させる」「認識してもらう」というところがポジショニングにおいて重要な点です。

 

ポジショニングとは私達が明確に立ち位置を決めるものの、実質的に購買に起因するのは消費者にとってのポジションなのです。

 

そのため、いくらマーケターはや企業が自分で「我が社のポジションは○○だ!」と宣言しても、消費者や顧客からは違ったポジションに位置づけられていたら意味を成さないのです。

 

マーケティングにおいては顧客が常に思考の中心に置かれなければならないのです。

 

企業側がいくら「競合製品と比較しても、自社の製品はとても優れている(だから売れるはず)」と思っても顧客から見て魅力的でなければ購買にはつながらないのです。

 

ちなみに、性能や機能に関してはある一定の水準を満たしていれば十分で、それ以上は購買につながらないことが多々あります。オーバースペックといい余分に高い機能は消費者にとって購買動機になりません。

 

例えば、デジタルカメラの性能を表す画素数があります。

 

600万画素、800万画素、桁が繰り上がり1000万画素まで出てきました。しかし、日常や旅先などで写真を撮影するのに1000万画素のような高い性能は不要なのです。

 

よってデジタルカメラでは「高性能(高画素数)」というポジションでは購買には不足なのです。

 

画素数が増えるほど画質が向上するとの認識が多いと思いますが、高画質はもう頭打ちです。

 

画素数の多さがどういう利点が得られるのかをもっと訴えるほかないでしょう(私にはわかりませんが)。

 

最近では人物の顔やその表情まで認識できるようになり、次々と機能が追加されてこれからの技術進歩が楽しみな製品ではありますが、ポジショニングが難しくなる製品だと思います。

 

ポジショニングでの注意点

ポジショニングを検討する際にまず注意すべきは、先に述べたように「顧客の認識」です。

 

企業は自社の資源が持てる最大品質の製品を製造しようと努めますが、製品が売れるかは消費者から魅力的だと思われるかに委ねられます。

 

いかに良い製品を作ろうとも消費者に評価されなければ購買に至りません。

 

顧客からどう評価されるかという視点を常に持ち続けましょう。

 

ポジショニングはマーケティング戦略において、マーケティングの方針を決定づける最後のプロセスです。

 

どこを狙うか、誰を狙うか、どの立ち位置を確立するか(ポジショニング)を決定したら、次はこれらをどう実現するか(マーケティング・ミックス)に移行します。

 

戦う方向性を定めたら、どう戦うかという戦術レベルの検討に移ります。

 

方向性を定める活動の最後のプロセスであるポジショニングこそ今まで積み上げてきた戦略の集大成ともいえます。

 

これから設計するマーケティング・ミックスなどはポジショニングを実現するための活動のため、ポジショニングをおろそかにすると、マーケティング全体がおろそかになってしまいます。

 

そのため、ポジショニングはマーケティングにおいて最も重要な活動とも言えます。

 

とはいえ、マーケティングはどのプロセスでも修正は可能なため、慎重を期し過ぎる必要はありません。

 

市場からの反応や評価をフィードバックすることで、正しいポジショニングを確立できます。


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