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マーケティング目標の設定

 

マーケティング目標│マーケティングで達成したいことの明確化

 

事前に観察する環境分析に関しては、PEST、3C、SWOTで十分です。他にも分析ツールは存在し、5-フォース、VRIO、コア・コンピタンス、バリューチェーンなどありますがこれらは環境分析向きのものではありません。

 

あまりフレームワークや分析ツールを掘り下げると、マーケティング論というよりは戦略論の分野となってしまいます。

 

環境分析によって事業機会を発見したあとは、マーケティング戦略の策定にすぐに移るかというとそうではありません。戦略策定の前にまず、マーケティングで何を達成したいのか、目標を設定します。

 

戦略とは、ある目標を達成するための方針を定めることであるため、戦略を策定する前には何を達成したいのか目標を設定する必要があるのです。

 

経営理念や企業のミッションは、事業が始まったときには既に存在しています。

 

組織は目標を達成するために構成され、企業組織というのは営利的な事業目的を達成するために成り立っています。

 

そして、経営戦略は経営目標を達成するために立てられ、組織全体が目標を達成するよう動かすことが“経営”です。

 

経営戦略と同様に、マーケティング戦略はマーケティング目標を達成するために立てられます。では、目標はどのように設定、管理すればいいのでしょうか。

 

組織に課せられる目的はさまざまあります。企業の目的の一つは収益の最大化なため、収益性を高めることが目標設定に置かれることもあります。

 

「収益性の増大」という経営目標を達成するには、たとえば売上高の増加や、利益率の増加などという形で実現させます。

 

このとき、営業部門は「製品Aの販売数量の増大」を目指し、製造部門は「製品Aの製造コストの低下」を目指します。

 

目標というのはトップが打ち出すだけで終わらず、各部門が実行できるレベルまで落とし込む必要があります。

 

各部門がそれぞれバラバラに目標を達成しようとしても、組織全体として目標と戦略の整合性や優先順位が取れていなければ戦略が有効に働かないのです。

 

また、「販売数量の増大」といっても、どれくらい増やすのか、予め数値で表さないと業績が評価できません。

 

「増やせるだけ増やせ」ではとても目標とは言えません。もちろんそんな目標は達成されたかどうかの評価はできません。目標を評価できるようにするには目標を具体化します。

 

具体的なマーケティングの目標には以下のような例があります。

 

  • 売上高
  • 利益額、利益率
  • 市場占有率(シェア)
  • 認知度、イメージ向上

 

マーケティング目標を管理するさいの留意点

目標管理する際には次のことに注意しましょう。

 

@目標は主要な目的から階層分けする
ROI(投資収益率:利益/投下資本)の増大を目標に設定した場合。主に、利益を増やすことと、投下資本を減らすことが実行されます。

 

そして、利益を増やすには売上高を増やす、単価を増やすなどの目標により達成されます。

 

このように、目標を分解し、各部門や従業員個人単位で実行可能な目標まで階層分けします。

 

ちなみに、ROIを増やすには5通りの組み合わせがあります。

 

  1. 投下資本を減らして、利益を維持する方法(分母を減らせば、分子はそのままでも結果的にパーセンテージは増える)
  2. 投下資本を減らして、利益を増やす方法(分母を減らし、分子は増やす)
  3. 投下資本はそのままに、利益を増やす方法(分子だけ増やす)
  4. 投下資本を増やして、資本増加率より大きい増加率で利益を増やす(分母の増加率より分子の増加率を上げる)
  5. 投下資本を減らして、資本減少率未満の減少率で利益を減らす(分母の減少率より分子の減少率を下げる)

 

資本も利益も減らすなど収益率は上がれど、収益の最大化にはそぐわない方法も中にはあります。実際には資本を減らし、利益を増やそうとするのが望ましいでしょう(コスト削減かつ売上増など)。

 

A目標を優先順位付けする
主目標を達成するための、細分化された目標は優先順位を付ける必要があります。

 

@の例で挙げた「ROIを増やす」という主目標を達成する方法は、「投下資本を減らす」や「利益を増やす」などさまざまな手段とその組み合わせがあります。ここで、投下資本は減らさないと考えているなら、優先されるのは「利益増」です。

 

よって、利益目標の方が重要であるため、売上高の増加や利益率の改善など、さらに優先される小目標が設定されます。

 

目標達成手段を方針付けるためにも、目標には重要かそうでないかの優先順位をつけると良いです。

 

B目標は数値化する
目標は数値化することが望ましいです。

 

「ROIを上昇させる」よりも「ROIを20%にする」と表した方が目標が明確になり、達成方法もより具体的になります。

 

C現実的な目標を立てる
目標とは夢や願いではなく、現実に達成すべき業績です。自社の現状を鑑みて慎重に設定しましょう。

 

ないとは思いますが、去年の売上が10億円なのに組織体制はそのままで「今年は売上1,000億円だ」という大それた目標を立てるのは現実的ではないでしょう。

 

過去の数値を参考に数字のスケール感をある程度は掴んでおく必要があります。

 

D目標に一貫性を持たせる
高成長を掲げているのに、費用を渋って低リスク低資本な方針では戦略の整合性がとれません。同時に達成できない目標を立てると、異なる組織と異なるマーケティング戦略が必要となります。

 

目標には一貫性を持たせましょう。

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