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マーケティングの基本概念|ベネフィット、価値、他

 

ベネフィット

 

企業が提供する製品・サービスは顧客が抱えている「問題」を解決するための手段です。

 

水であれば「のどの渇き」という問題を解決します。

 

この場合、マーケターは、水がもたらす「のどの渇き」といった問題の解決策をベネフィットと呼びます。日本語では便益という言葉が適当です。

 

ベネフィットは製品・サービスの根本的な機能です。顧客はその製品が欲しくて購入するのではなく、顧客が抱えている問題を解決するベネフィットを購入しているのです。

 

「なぜ、その製品を買うのか?」という疑問への答えこそがベネフィットです。

 

化粧品を欲しがる女性は化粧品という製品、物理的な仕様が欲しいから購入するのではなく、「綺麗になる」というベネフィットを得るために購入します。

 

セオドア・レビットは「顧客はドリルが欲しいのではなく、穴が欲しいのだ」とベネフィットの重要性を指摘します。

 

ドリルが製品で、ドリルによって空けられる「穴」がベネフィットです。マーケターが顧客へ提案すべきはベネフィットであり、顧客が得られるベネフィットが分からずに製品・サービスを販売することはできません。

 

また、ベネフィットは一つの製品につき、一つのベネフィットというわけではありません。

 

炭酸飲料水であれば、「のどを潤す」というベネフィットに加え「爽快感を得る」というベネフィットも得られます。顧客は製品をベネフィットの束として捉え、その製品なら一括してベネフィットを得られると期待して購入します。

 

価値

 

ビジネスとは価値の交換です。したがって、ビジネスでは価値とは非常に重要な概念であり、経営者は常々自社の提供物に新たな価値を生み出すこと、価値を上げることに頭を捻ります。

 

付加価値やバリュープロポジション、フレームワークのバリューチェーン(価値連鎖)などとビジネス上のさまざまな場面で「価値」という言葉が使われます。

 

では、「価値」とは一体何なのでしょうか?

 

コトラーによると価値とは知覚された有形および無形のベネフィットと顧客にかかるコストを表します。

 

主に、顧客価値の三本柱QSPの組み合わせとみなされます。QSPとはそれぞれ、品質(Quality)、サービス(Service)、価格(Price)を意味します。

 

品質とサービスが上がれば価値は高くなり、価格が下がると価値は高くなります。

 

一般に高価格商品ほど価値が高いと考えられそうですが、顧客がかけるコストが低い方が顧客にとっての便益が高まるため価値が上がります(もっとも、ハイブランドのファッションは高価格なことに意味があるため低価格=高価値という単純な式ではありません)。

 

価値は顧客が購買時に最も重要視するポイントです。

 

その製品の価値が、顧客が支払う価格を上回っているとき顧客は製品を購入します。つまり、私たちは製品に価値を創造するだけでなく、顧客に製品の価値を伝達する必要があります。

 

製品の性能や品質は実際に購入してからの利用で実感して貰えますが、購入前にその製品で得られるベネフィットが上手く伝わらないと、顧客はその製品に価値はないと判断してしまい購入に至りません。価値を伝える活動もマーケティングの課題です。

 

顧客満足

 

顧客満足とは顧客が知覚した製品の成果の評価と事前の期待値の差です。

 

式に表すと以下のようになります。

 

  顧客満足 = 顧客が感じた価値 − 事前期待値

 

顧客が知覚したパフォーマンス、すなわち顧客が製品を利用したときに感じた価値が事前期待値を上回ったとき、顧客は満足します。

 

言い換えると、顧客が感じた価値と事前期待値が等しいということは、製品は期待通りの価値だったということです。

 

このとき、顧客は別段不満は感じないものの、製品に満足はしません。単純に性能を上げたり、顧客の要望にそのまま応えるだけでは満足しないということになります。

 

顧客が事前に期待する以上の価値を提供することで、顧客は満足するようになります。

 

かといって、価値>期待値となればいいから顧客を期待させないよう、公開する情報を出し渋ったりしてしまうと、購買しようと思われなくなるため、期待はさせ過ぎても、させなさ過ぎてもいけません。

 

チャネル

 

マーケティングでは度々「チャネル」という言葉が使われます。

 

チャネルとは経路のことで、流通では「流通チャネル」を使って対象に製品を届けます。顧客にメッセージを伝達する際には、「コミュニケーション・チャネル」用います。

 

マーケティングにおいては、製品・サービスやメッセージなど、何かを相手に届ける際に、利用する経路を「チャネル」と呼び、目的に応じて適切なチャネルを選ぶことがマーケティング上の課題です。

 

マーケティング・マネジメント

 

マネジメントは、ビジネス界では経営管理を意味します。同様に、マーケティング・マネジメントもまたマーケティング活動の管理を意味します。

 

マーケティング活動は製品の設計から販売まで全てに関わっています。そのため、個々の活動がマーケティング戦略全体の活動を最適化できるか管理する必要があります。

 

如何に価値を創造するのか、どのように価値を提供するのかなど、個々の活動でバラバラに最善を尽くしたつもりでも全体的には顧客へ価値を提供出来ていないかもしれません。

 

そこで、それぞれの活動の整合性を管理する、すなわちマーケティング・マネジメントが必要になります。

 

マーケティング・マネジメントとはマーケティング組織内部と外部環境ともに整合性のある優れたマーケティング戦略を実現するための管理活動です。

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