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マーケティングの基本概念|ニーズ、市場

 

 

マーケティングを理解するための基本的な概念(ニーズと市場について)を紹介します。

 

どちらもごく基本的なことですが、基本的なだけに重要な概念です。

 

ニーズ

 

マーケティングを考える際、特に念頭に置くべきことはニーズです。

 

マーケターは、顧客が何を望んでいるのか、私たちはどのような価値を提供するのかを常に考えるなくてはなりません。そして、顧客が満足するよう製品を生み出す必要があります。

 

ニーズとは、衣食住のような生活に必要なモノをはじめ、教育や娯楽といった社会や文化的、あるいは個人的に必要なモノを求める状態のことです。

 

そして、ニーズを満たす特定の製品・サービスをウォンツ欲求)といいます。

 

たとえば、「空腹を満たしたい」と思っている人にとっては「食べ物」こそがニーズに当たります。そして、具体的な「食べ物」の例、白米、精肉、鮮魚、野菜や果物などの食材や食材を調理した料理(外食など)がウォンツに当たります。

 

マーケティングの課題はニーズを本質的に捉え、そのニーズを満たす具体的なウォンツに落とし込むことです。

 

ニーズとは顧客が望んでいるものであり、(マーケティング担当者が)「ニーズを作る」とか「ニーズを生み出す」という使い方をするのは不適切です。

 

ニーズとはマーケティング以前に存在するものですから。ニーズをどのように喚起するか、発見するかがマーケターの課題です。

 

注意すべきは、現在提供している製品・サービスが顧客のニーズを表面的でなく本質的に満たしているのかどうかを判断することです。

 

一見、ニーズを満たしており、売上が順調な製品でも、顕在化したニーズしか満たせていないことがあります。

 

ニーズを把握することは実際難しい問題です。

 

消費者にアンケートを取ろうにも、消費者自身がそれとなくニーズはあっても言葉で表現できないこともあり、潜在したニーズつまり「ニーズの本質」を発見することは至難です。

 

しかし、最早顕在したニーズに応えるだけでは競争優位に立てません。マーケターは顧客が本当は何を望んでいるのかを自覚する手助けをしなければなりません。

 

調理の際に「食材を切る」というニーズに対し、「包丁」というウォンツがあります。顧客が包丁を選ぶのにはさらに、「抜群の切れ味」だったり「切れ味が落ちにくい」などの顧客が評価する価値を加えなければなりません。

 

しかし、もし「食材を切る」方法が「包丁」よりも便利な道具があればどうなるでしょうか?

 

今は「食材を切る」ニーズを満たすウォンツは「包丁」が最も適当かもしれませんが、ニーズを満たす新たな製品が開発されると包丁のニーズを一気に手に入れることができるかもしれません。

 

市場

 

「市場」とは「買い手と売り手の集まり」を指します。

 

市場には原材料や労働力などを取引する資源市場や、それら資源を加工して消費者へ販売する消費者市場などがあり、各市場が相互に作用しあい経済活動が成立します。

 

ちなみに、マーケターが「市場」という言葉を使うときは主に「買い手の集団」すなわち「顧客の集まり」という文脈で使われています。。

 

市場全員が同じ製品を求めてはいません。

 

消費者の選択肢が増えた現代は、かつての黒のT型フォードのように一種類しか生産していない時代と違い、誰もが同じ自動車に乗るのではなく、自分の好みの自動車に乗っています。

 

端的に言えば、現代ではほとんどの企業において、市場の全員を標的にした製品は、市場の全員からそっぽを向かれます。

 

みんなが欲しがる製品は、みんな要らないのです。たとえば雑誌を購入するときは全年齢の雑誌よりも、自分と同じ性別で同じ年代が対象の雑誌を購入するでしょう。標的を絞る方が求められるのです。

 

市場は画一的ではなく、顧客ごとのニーズに特徴があります。

 

ベンツが欲しい人は「移動手段」が欲しいのではなく「高級ステータス」が欲しいのです。ハーレー・ダビッドソンもただの「バイク」や「移動手段」として買われてはいません。

 

このようにニーズは万人共通ではなく、人によって異なった特徴を示します。

 

ただし、一人ひとりの顧客に合わせてはあまりにもコストがかかりますし、万人に合わせては誰のニーズも満たせません。

 

そこで、市場を同質のニーズを持っていると考えて差し支えないグループに分けます。

 

これをセグメンテーション市場細分化)といい、分けられた市場を市場セグメント、あるいは単にセグメントといいます。

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