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セグメンテーションの軸2

 

心理的変数(サイコグラフィック変数)

心理的変数は、消費者の心理や性格、ライフスタイルなどに基づいてセグメント分けします。

 

個人の消費生活は時に、人口動態変数よりも心理変数に依存します。

 

個人の消費に対する考え、例えば高級品志向か低価格志向かは人口動態変数だけでは一意に決まらず、個人の心理に依ります。

 

地理的変数や人口動態変数は切り分けが容易ですが、心理的変数は個々人の価値観に基づき切り分けるため、明確な基準がなくセグメント分けが難しくなります。

 

例えば、外向的/内向的と分けるのは簡単だが、実際にそのセグメントがどこにいるのか、どう接触するのかというと判断が難しいです。

 

全く新しい製品が出回ったとき、早々に受け入れるかどうかは、その消費者が保守的か革新的かという価値観によって決まります。

 

大雑把に言えば新しいもの好きに訴求することが新製品の普及に大きく貢献します。 

 

保守的な消費者にいくら訴求しても受け入れてもらうのは難しいでしょう。

 

ちなみに、保守的/革新的などの価値観等は、同じ人物でも異なるカテゴリの製品では、異なる価値観を持つことがあります。

 

携帯電話やPC機器などの情報機器では革新的な志向を持つ(常に最新機器を揃える)人間が、一方ではファッションには保守的、伝統的、あるいは無頓着な場合もあります。

 

あの顧客は革新的だからといって、他の製品カテゴリでも革新的なものに反応するとは限らないということです。

 

人の性格や価値観というのはそう単純なものではないため、一言でまとめることは難しいです。

 

そのため、それぞれの事業で、顧客にはどんな傾向があるか共通点をまとめて、自分で定義することを薦めます。

 

例えば、金融業界ならば、顧客を革新/保守で分けるのではなく、リスク愛好型/リスク回避型など性格を特有の分け方に出来ます。

 

もちろんリスクに対する価値観で分けることは金融業界くらいです。

 

他にも品質と納期は一般にトレードオフ(彼方立てれば此方が立たぬ:納期を優先すれば品質が落ちる)です。

 

システム構築の際には納期の早さを優先するか、品質(ユーザビリティ、システム不良やバグの少なさ、安全性など)を優先するかも顧客の価値観に依ります。

 

行動変数

行動変数は消費者の製品に対する、態度や使用法、反応などに基づいたセグメント変数です。

 

購買状況によっては製品に対する態度は大きく異なります。

 

一度製品を使ったことがある消費者と全く製品を使ったことがない消費者では、その製品(のメーカーやブランド)に対しての反応は異なります。

 

常に新規顧客を追う戦略か、既存の顧客との関係を長続きさせる戦略かで消費者に対するアプローチが異なります。

 

新規顧客にはまず、自社製品を認知させることから始まりますが、既存顧客なら最初からセールスのプロセスに入っても問題ありません。

 

使用率によっても顧客を分類できます。主にライト・ユーザやヘビー・ユーザのように分けられます。

 

マーケティング上、ヘビー・ユーザは既存の製品・サービスに満足しているユーザと考えられます。

 

そのため、ヘビー・ユーザへのプロモーションは現行のままでも問題ありません。

 

対してライト・ユーザは未だ製品・サービスに満足しきっていないユーザなため、不満点を聞き取り、改善を施してから新たなプロモーションをするなど、プロモーション・ミックスにも行動変数は関わります。

 

変数の一例

ここに、変数の例を表にまとめて載せます。

 

変数は一つだけに絞る必要はなく、女性/20代/関東など別の変数を複数組み合わせてセグメントを分けることで有効にセグメンテーションできます。

 

セグメント変数の一例。変数はさまざまあり、事業ごとに使用する変数は異なる。事業や顧客の特性を見極めて使いこなすことが重要です。


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