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マーケティング・チャネルの設計2――チャネルの長さ、政策、メンバーの決定

 

チャネルの長さの決定

チャネル設計の目的や制約を考慮して、長さを決定します。チャネルの長さとはチャネルの段階数です。

 

まず、はじめに直接販売か外部の流通業者を利用するかを決めます。

 

消費者に直接販売、いわゆる直販はゼロ段階チャネルであり、最もチャネルの長さが短いです。

 

次いで、小売業務を外部に委託するのが1段階、卸売業務も委ねるのが2段階以降となります。

 

単価が安い、一度の購入量が少ない、顧客が地理的にまばらであるなどの場合は、直販は非経済的です。このような場合、外部に流通を委託する方が経済的です。

 

少量取引や低単価な製品、多くの小売業者といった状況では卸売業者は連結して取引するようになりチャネルは長くなります。

 

反対に、単価が高い、一度の購入量が多い、顧客が地理的に密であるといった場合は、直販が有利です。

 

異なる複数のチャネル段階を取ることも可能で、ある地域には直販店、ある地域では小売業者で販売するという方法もとれます。

 

直営店のような自社チャネルは、販売価格の管理や販売データの入手が容易、自由に売り場が作れるため売り場のイメージを統一できる、ブランド・イメージの形成に有効といったメリットがあります。

 

そのため、ある程度の直販を保有することでこれらのメリットを享受することができます。

 

チャネル政策の決定

チャネルの段階数が決まれば、次はチャネルの幅を決定します。チャネルの幅とは各段階での流通業者の種類と数です。

 

チャネルの幅の決定はチャネル政策の決定を意味します。

 

チャネル政策には3種類あり、

 

 1.開放的チャネル政策
 2.排他的チャネル政策
 3.選択的チャネル政策

 

以上の内、どの政策をとるか決定します。政策の詳細は『3種類のチャネル政策』をご確認ください。

 

流通量が多く、取引する業者が多い場合は開放的チャネル政策。反対に流通量を少なくし、取引する業者が少ない場合は排他的チャネル。

 

このように方針や戦略によって、取るべき政策が決定します。

 

チャネル・メンバーの選定

以上が確定したら、いよいよチャネル・メンバーの選定です。

 

流通業者を利用する理由は販売機会の拡大だからといって、チャネル・メンバーは闇雲に売ってくれそうな業者を選べばいいというものではありません。

 

明確に基準を持って選定する必要があります。

 

選定基準には次のようなものがあります。

 

得意とする地域、得意な製品分野、財務内容、取引条件、コントロールのしやすさ、物流能力、集客・販売力、顧客の質や顧客との関係、希望の売り場の確保性(小売の場合)などさまざまあります。

 

卸売業者や小売業者には地域に密着し、その地域内で強い影響力を持つ業者もあります。

 

そのような業者と取引できることはその地域で強みとなります。しかし、買い手の影響力が強いと生産者がコントロールしにくくなったり、不利な取引条件を持ちかけて来る場合もあります。。

 

自社製品を取り扱う小売店は自社製品を希望する売り場に置いてくれるかが、売れ行きに大きく関わります。

 

特に陳列棚で顧客の最も手が届きやすい場所はゴールデンゾーン(男性の場合高さ70〜160cm、女性60〜150cm)と呼ばれ、競合と確保スペースの奪い合いが熾烈です。

 

取り扱いに高度な専門知識の必要な製品なら、その製品の流通を得意とする卸売業者に流通を任せます。

 

価格を下げて販売したくないと望むなら、当然ディスカウントストアはチャネル・メンバーの候補から外れます。

 

このようなさまざまな条件を総合的に考慮してチャネル・メンバーを選びます。

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