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ナンバーワンになろう。でも、なれない場合は?

 

「一位」は強い

ビジネスでは自分のポジションを絞ってナンバーワンの地位を築くことで、顧客に評価されるようになります。

 

特に大きな括りで一位になると絶大な顧客のマインドシェア(顧客の選好の割合)を獲得できます。業界売上高一位や市場シェア一位など、いわゆるリーダーのポジションです。

 

このことはビジネス以外に当てはめた方がわかりやすいかもしれません。

 

例えば、この手の話で良く例に挙がるのですが、日本一高い山は富士山ですが、日本で二番目に高い山は何でしょう?

 

正解は山梨県南アルプス市の北岳(標高3,193m)です。

 

では世界で二番目に高い山は?

 

正解は、K2(標高8,611m)というパキスタンとウイグル自治区の国境にある山です。

 

二位は一位と知名度で絶大な差が開くことがしばしばあります。一位というのは頂点の地位にあるだけで支持され、認知されてしまうものなのです。

 

しかし、一位というのは文字通り一つの席しかありません。誰もがナンバーワンを目指しますが、誰でもそう簡単になれるものではありません。

 

自分が勝てるところで一位になる

ナンバーワンの地位は非常に魅力的だということがわかりました。しかし、当然ですが多くの企業の現状はナンバーワンではありません。

 

自分より強い競合というのは山ほど存在しており、とても真っ向勝負で太刀打ちできるような状況ではないことがままあります。

 

誰もが一位の地位を獲得したいのに、「一位になれば絶大なマインドシェアを獲得できる」などというのは矛盾しているアドバイスに思えます。

 

ここでいう「一位」とは業界シェアという大きな括りでの一位ではありません。一位になれるよう戦う場所を絞るのです。

 

いわゆるセグメントを絞るということです。勝てる戦場で戦うことが戦略論の鉄則です。

 

例えば、あなたがラーメン屋だとしましょう。ラーメン屋というのは全国に3万軒以上あり、とても日本一を謳えるような業界じゃありません。

 

しかし、もしあなたの店が池袋や新宿といった激戦区でなかった場合、その地域で一番を名乗れるのではないのでしょうか?

 

例えば「○○市一評判が良い」などです。また、年齢層でターゲットを絞って「シニア層の満足度が一番」などもできます。

 

もちろん、この項目を読んでいるあなたはラーメン屋ではないのかもしれません。

 

ですが、あなたの業界でも絞り込むことであなたがトップになれる戦場があるかもしれません。

 

主にセグメントを絞る切り口としては、地域年齢層商品があります。さて、あなたはどの切り口を使えばトップになれるのでしょうか?

 

最後に、ドラマの話なのですがBBCのSHERLOCKでは主人公のシャーロック・ホームズは自身を「世界でただ一人のコンサルタント探偵」と称しています。必然的にナンバーワンのポジションを獲得していますね。

 

新たな肩書きを得るというのも一つの手です。

 

それでも一位なれないとき

さまざまな切り口で自分の戦う場所を絞ることでナンバーワンの地位を獲得する手法はわかりました。

 

しかし、どんなに絞っても一位になれない。あるいは、思いつかないということもあるでしょう。では、そんな時はどうすればいいのか?

 

それは「トップ」ではなく、「トップクラス」に入ればいいのです。世の中には最上位に位置していても同じ位の中で序列などを決めていない括りがあります。

 

例えば、トップスリー、三大○○、ビッグ3などがあります。3を絡めた括りが多いかと思います。

 

アメリカの自動車メーカーでビッグ3といえばGM、フォード、クライスラーです。実際一番規模が大きいのはGMですが、ビッグ3と一括りにしてしまうことで、三者同列のように思えます。

 

上位三位に食い込むことで、四位以下とは大きく隔てた印象を与える有効な戦略です。


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