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ギッフェン・パラドックス|価格が上がると需要も上がるパラドックス

 

価格が下がると、需要も下がる財があることを「価格が下がると欲しくなくなるものがある|価格効果・ギッフェン財」ではお話しました。

 

そのような財をギッフェン財と呼び、経済学の価格が下がると需要は上がるという常識に反することから、この現象をギッフェン・パラドックスと言います。

 

価格が下がると需要が下がるということは、逆に言うと価格が上がると需要が上がるということです。

 

奇妙な現象だと思いませんか?

 

誰しも商品は安く買いたいと思うはずなのに、ある財は価格が上がると欲しくなる人が増えるのです。

 

実は身近なところでこのような現象が起こっていたりするのです。

 

例えば、お弁当や定食などで「松、竹、梅」や「並、上、特上」といった三段階のランクがあります。ちなみに、「松、竹、梅」では松が最上ランクです。

 

このようなランクをつけると不思議と最も安い一番下のランクが一番売れるのではなく、上のランクの方が売れてしまうのです。

 

ちなみに、三段階のグレードの場合、真ん中のグレードが一番売れると言われます。

 

もし、あなたの商品が二段階のグレードしかない場合は、もう一段階グレードを作ってみましょう。

 

例えば、並と上しかなく、上を売りたいと思ったら特上を加える。並を売りたいと思ったら並の下に小を加えるというように。

 

もちろん飲食店以外でもこの手法は応用できます。

 

次の例でもし、あなたが犬や猫などのペットを飼っていたらどうでしょうか?

 

ペットを家族の一員のように可愛がっていたら、ペットのために必要な出費は惜しまないのではありませんか?

 

ペットフードを購入する場合、人間では味や品質などを実食して確認することが難しいため、とりあえず安全そうな高い商品を買うこともあるか思います。

 

また、価格は品質のバロメーターであると認識されます。そのため、高い商品は良い商品であると消費者は考えます。

 

ペットには良いフードを食べさせたいと思っていたら、多少値が張っても良いものを買おうと思います。

 

良い商品が欲しいと思っている消費者には高い価格で販売した方が、より強く訴求もできます。

 

このような、ビジネスの現場で起こっている従来の経済学では説明できないような奇妙な現象を、心理学や行動経済学が新たな側面から解き明かそうと試みています。

 

以上、前項「価格が下がると欲しくなくなるものがある―価格効果・ギッフェン財」に続いて、価格の高低が消費者に与える心理的な影響についてお話しました。

 

あなたの商品も一度値上げするか、新たに高いグレードの商品をラインナップに加えるかしてみてはどうでしょう?

 

必ず顧客の反応が変わります。


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